計算論的メンタルレキシコン
ブログタイトルを計算論的メンタルレキシコンに変えました。
僕の専門は計算言語学(自然言語処理)なのですが、自然言語処理の方には「メンタルレキシコン」というのは馴染みの薄い言葉であると思います。メンタルレキシコンというのは、端的に言えば、「人間が覚えている語彙知識の総体」です。例えば、「ある人が覚えている全ての英単語の知識⊆その人の英語のメンタルレキシコン」です。
僕は、修士からずっと、「ユーザが分からなそうな単語を予測して、あらかじめ訳をつけてくれる読解支援システム」を研究にしています。この「ユーザが分からなそうな単語を予測」という部分を追求していくと、結局、「ある人間のメンタルレキシコンを推測する」ということに行き当たるのだと思い、この用語を使いはじめました。大学での研究題目にも「メンタルレキシコン」という語を使っています。次のような代表的な参考書を読んで、勉強しています。
- 作者: 門田修平,中西義子,島本たい子,池村大一郎,野呂忠司,横川博一
- 出版社/メーカー: 松柏社
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
メンタルレキシコンは、第二言語周りのシステムだけでなく、自然言語処理の応用でユーザ適応をする際には重要な概念だと思っています。自然言語処理でユーザ適応をするということは、結局、そのユーザの言語や知識について何らかの仮定を置く、ということだからです。