Wolfram Alphaを早速試してみた

Mathematicaを考案した、あのWolframが作った検索エンジン(?)、Wolfram Alphaを早速試してみた。CNETでは、「検索エンジン」として紹介されているが、Wolfram Alphaは、GoogleやYahooのような、Webページを探し出すための検索エンジンにとどまらない。Wolfram Alphaのすばらしい点は、情報を比較・分析できることだ。もっと手っ取り早く言えば、表やグラフを勝手に作ってくれて、見せてくれる。

とりあえず、次の結果を見れば分かる。自分の専門は自然言語処理なので、"Japanese vs. English"と入れてみた。その結果がこれだ。

これだけのキーワードで、勝手に基本的な表が出てくる。しかも、この表の根拠について、(1970-1993 estimates)と左下に小さく表示してくれていることが、見落としがちだが重要な点だ。この手の表は、数字が信頼できなかったり、前提となる情報がないと、意味が薄くなるからだ。

この表だけで、結構「意外性のある情報」が発見できる。たとえば、世の中は英語で動いていると思っているが、ネイティブスピーカーの数で比較すると、英語は日本語の3倍程度だ。にもかかわらず英語の方が圧倒的に優位な現実があるのは、日本語が日本に局在しているからだろう、というような推測が立てられる。後、Writing systemもおもしろい。日本語は"Chinese script"と書いてある。なるほど、あちらの感覚では、"Chinese script"なんですね。間違っちゃぁいない。


これもおもしろい。文字頻度(character frequency)や語彙の類似性(lexical similarity)も表示してくれる。(Lexical similarityは、共通語彙の割合らしい)


これも結構おもしろい。英語のネイティブスピーカーが多い国は、と聞かれて、タンザニアウガンダはすぐには出てこない。

Wolfram Alphaの賢いところは、"Japanese vs. English"(日本語と英語の比較)に関する、何の情報を表示するのかを明示しないときに、大体思いつきそうな比較表をババっと出してくれるところだ。ここは、たぶん、与えられた質問に関してどれぐらい的確な答えが返せるかを評価するQA(Question Answering, 質問応答システム)と少し違うところで、現実には「質問する側も何を尋ねるか明確でないことが多い」ということがよく想定されているのでは、と考えていいと思う。(自分はQAが専門ではないので、もしかしたら間違ったことを言っているかもしれない)

で、このWolfram Alpha、結局どういうときに使うべきかといえば・・・
間違いなくプレゼンテーションや企画書を作る時の、絶好のツールになるだろう
というのが、自分の予想。何しろ、表示される表も綺麗なので、それをそのままコピペすれば、プレゼンテーション・企画書に十分使いまわせる。もしかしたら、今学期末の大学の授業のレポートには、Wolfram Alphaからのコピペがぞろぞろ並ぶかもしれないので、要注意だ(汗